神聖な雰囲気漂う天文の森 (てんぶんのもり)
ヤクスギランド最奥の蛇紋杉(倒木)からさらに奥。江戸時代・天文年間の伐採跡に再生した“天文の森”
訪れる人も少なく静かな森は深い苔に覆われ、木々から差し込む光が神聖な雰囲気を漂わせる。
頂に巨大な奇岩“天柱石”を拝する標高1,497m・太忠岳への登山道

ヤクスギランドの奥、深く苔に覆われる倒木や切り株と多様な植生を持つ小花山~天文の森
美しく静かな“小花山~天文の森”

天文の森の水場©屋久島環境文化財団
ヤクスギランド・蛇紋杉の分岐あたりから始まる“小花山”と呼ばれる森と、その1kmほど奥に立つ“釈迦杉”まで続く天文の森。
深く苔に覆われる倒木や切り株が数多く見られ、そそり立つ杉の巨樹、樅や栂などの針葉樹の大樹以外に、混生するハイノキ・ツツジ・シャクナゲなど常緑広葉樹が5月頃には花を咲かせ、10月頃にはヒメシャラなどの紅葉も見られる周辺一帯は、屋久島中間部の最も美しい山岳美が鑑賞できる場所と言われています。
江戸時代の伐採跡とあって枝が空を覆いつくしていないために明るく、雨上がりには苔や枝の露が輝き、光の線を描く木漏れ日が静寂と相まって神々しくさえ感じます。
ヤクスギランドと合わせてゆっくり5~6時間

天文の森奥に立つ釈迦杉には「龍が棲む」という伝説も
ヤクスギランドからも良く見える、天柱石を頂とする太忠岳への登山道、蛇紋杉の分岐から続く尾根筋周辺が小花山、一旦下った後の尾根上周辺の天文の森です。
バスで乗り付け、30分コースだけでサッサと帰る観光客が多数派(もったいない…)のヤクスギランドですから、150分コースを外れて小花山~天文の森へ向かう人は皆無!名が無くも堂々とした屋久杉の巨木、湧き水の小さな流れなど、人気の高い白谷雲水峡にも匹敵する苔むした森を独り占め!
天文の森・釈迦杉往復には1時間あれば足りますが、朽ちた切株の中に入ったり、お弁当やお茶を頂いたり。ヤクスギランド150分コースと合わせてゆっくり5~6時間、時間を忘れてゆっくり楽しむことができます。
多少足元が悪い場所を歩きますのでハイキング感覚とは行かないものの、特に危険なヶ所の無い、基本的には距離も高低差も無い一本道。(きっとイロイロ脇道へ逸れるでしょうけどw)ある程度の山歩き装備と経験があれば、ガイド同行でなくても十分に雰囲気は味わえます。
ただ、ヤクスギランドの外ですから釈迦杉や小田杉といった著名杉にすら名鑑も無く、「これが小田杉!」「ここは精霊の泉と言われています~」「この釈迦杉には龍が棲むという伝説が…」なんていろんな説明や話を聞きたい、より深く体験をしたいなら、ガイドさんと一緒の方がイイかもね。(名称や伝説の中には島の伝承でなくガイド達が言い出したものもありますwww)
釈迦杉にある水場から先は急坂!太忠岳の頂まで片道1時間の本格的な登山です。