誰にも出会わない昭和の登山道で六神木“大和杉”へ

ヤクスギランド・三根杉近くの分岐、おどろおどろしい雰囲気が漂う怪しげな階段から2km弱・片道60~80分程度のひなびた登山道は木道などの整備は皆無、道標も昭和の匂いがする古いもの。
大きな倒木をくぐったり登ったり。ほとんど誰も利用しない昭和の道、花之江河への登山道・安房歩道で“大和杉”へ。

屋久島トレッキングガイド・観光情報

写真を撮ったり、説明書きを読んで屋久杉の歴史や植生について学んだり。ゆっくりとお楽しみください。

誰にも出会わない昭和の登山道で六神木“大和杉”へ

ヤクスギランドの奥から花之江河への登山道“安房歩道”(花之江河歩道とも言います)

屋久島の登山道のほとんどが山岳信仰のための路であったのとは異なり、安房歩道はヤクスギランド開園翌年の1972年に開かれた第27回太陽国体・山岳競技コースとして整備された比較的新しいルート。であるにもかかわらず、今ではほとんど誰も利用しない昭和の道。

※現在の国体にある山岳競技(クライミング)ではなく、当時は山を歩く競技で、事前の登山計画や携行品の優劣、テントの設営技術、食料と調理、気象予測、救急法などを含め、野営2泊を含む山登りの総合力を競うというものだったそうです。

ヤクスギランド奥の花之江河への登山道安房歩道分岐

ヤクスギランド奥の花之江河への登山道安房歩道分岐、雰囲気が伝わって来ます。多分この階段は1日10人も使わない。

大きな倒木をくぐったり登ったり

ヤバイのは赤テープの目印を見失うこと

ヤバイのは赤テープの目印を見失うこと

ヤクスギランド・三根杉近くの分岐の階段を上ると「ヤクスギランドを散策される方は引き返して下さい。これは花之江河へ通じる登山道です。」と書かれた注意看板が何個もあります。
2km弱・片道60~80分程度の登山道に木道などの整備は皆無。道標も昭和の匂いがする古いもの。大きな倒木をくぐったり登ったり。

花之江河へのルートとしても今ではほとんど誰も利用していない登山道なので、大和杉へ向かう人意外には、と言うより1日留まっていても誰にも出会わないほど。道しるべとなる赤いテープ(日焼けしてピンクですw)を見失わないように進んでください。

名も無い屋久杉、樅、栂の巨木

瘤や皺が無くスッキリと伸びる大和杉

瘤や皺が無くスッキリと伸びる大和杉

名前が付いていなくとも堂々とした屋久杉、樅や栂の巨木が林立するほぼ手付かずの原生林。江戸~昭和の屋久杉伐採の時代にも開発されなかった森は静寂で緑豊か。綺麗な清水の沢、苔やキノコも多い屋久島らしい森を独り占めできます。

世界遺産区域を示す表示板までくればあと10分。大和杉の道標方向へ下り始めるとすぐ目の前に“大和杉”がスッキリと立っています。

大和杉往復にはヤクスギランド分岐から2~3時間ほどあれば足りますが、ヤクスギランド150分コースと合わせてゆっくり5~6時間、天文の森と合わせてたっぷり1日楽しむことをおススメします。

多少足元が悪い場所を歩きます。特に危険なヶ所は無く、距離も高低差も無い一本道ですが、極端に歩く人の少ない登山道なので、コースから外れてしまう可能性があります。
目印のテープを見失わないようにさえすれば、ある程度の山歩き装備と経験がある方なら十分楽しめます。