龍神信仰・山姫伝説 神々の係る伝説は数しれず
龍神(龍蛇)信仰

©屋久島町麦生集落
屋久島では、旧暦の8月15日に「十五夜綱引き」という行事が行われます。
カヤを使って直径20cm、長さ40mほどに編まれた綱を、頭を月にむけてとぐろを巻く龍神(龍蛇)に見立て、満月と共に崇め、その綱で綱引きをするというこの行事は、月の満ち欠けと、脱皮に見る蛇の再生・不死の力にあやかって健康長寿を願い、また、夜露の主である月と水霊の象徴である蛇への収穫感謝と新しい節への豊年の願うというもの。
天文の森・釈迦杉には龍が棲むという伝説ほか、屋久島には他にも龍神伝説は多数あります。
十五夜綱引きは屋久島特有のものかと思って調べてみると、南九州~沖縄本島で同じ意味を持つ十五夜綱引きが行われています。黒潮に乗って南から運ばれてきた文化かと。
神々が山を見て歩く
山で働く人は毎月15日をヤマイエの日として、この日は山仕事を休み山へ立ち入らない。なぜなら、この日は神々が行列を作り山を見て歩く日で、人が立ち入るのを極度に嫌われるからである。
ある不心得者がこの掟を守らず山へ登ったところ、白鹿に乗られた神様が通りかかり、まわりを警護していた野鹿が角で突きかかって、不心得者はその場に倒れ、あくる日村人が探すと谷底で死んでいたそうだ。また、この日に山に入ると神隠しにあうともいう。(下野敏見著「屋久島の民話」より引用)
美しい木の精霊・山姫伝説
旧正月、5月、9月の山の神祭りの日に山に降りてくる木の精霊・山姫。
山姫の笑顔につられて笑うと血を吸われるという恐ろしい伝説は、子供たちが山奥へ行かないように作られた考えられていますが、多くのお年寄りが「山姫を見たことがある」と話しているそうです。(屋久島ポータルサイトより引用)