国内初にして唯一の初送電分離 屋久島徒然

国内初にして唯一の初送電分離を半世紀以上前から続ける屋久島。
3基の水力発電の能力で計算上は十分に賄えるはずなのですが、雨の屋久島にも渇水時期がありディーゼル発電で補う必要があるらしく、残念ながら自然エネルギー・再生可能エネルギー100%という訳ではありません。

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背景イメージ:©Σ64 CC-BY 3.0

半世紀以上前から続く発送電分離

2016年に電力小売りを全面自由化、18~20年に電力会社の発電と送電部門を別会社にする“発送電分離”を実現するという内容の改正電気事業法が2013年11月成立しました。
1951年に今の電力制度ができて以来の抜本改革で、大手による地域独占から電力事業を開放し、新規参入や電力会社同士の競争を促すことで、サービスの選択肢を広げ、電気料金をできるだけ安くする狙いがあるそうです…

時代の先駆・発送電分離

©屋久島電工

炭化ケイ素という化学製錬物の製造を目的として設立された屋久島電気興業(現・屋久島電工)(株)が、工場で使用する電力のための発電設備を建設、余剰電力を当時の役場が利益を得る目的で買取り・送電することで、屋久島の発送電分離が始まった昭和30年代。それ以前は各集落で水車を回して発電(現在もいくつかは現役)していたそうです。
電力制度改正の元、役場が撤退し送電事業者が九州電力に変わっただけで、九州からの送電や屋久島電工から発電事業の譲渡はなされず、半世紀以上も前から現在まで発送電分離を続けています。

残念ながら100%水力発電ではありません。

島内の電力需要は7千5百万kw。屋久島電工(株)の所有する3基の水力発電の能力で、自社の使用電力を含め計算上は十分に賄えるはずなのですが、雨の屋久島にも渇水時期がありディーゼル発電で補う必要があるらしく、残念ながら自然エネルギー100%という訳ではありません。

太陽光や風力など再生可能エネルギーで補うことが出来れば、屋久島はまさしくエコロジーの最先端と言えたのでしょうけれど、ディーゼル発電のコストに敵う訳もなく、その計画はこれからの検討課題とされています。